平成27年第3回定例会 野村羊子討論
〔反対討論〕
(1) 野村羊子委員(にじ色のつばさ)
今回の改正は国の医療費助成対象疾患が拡大したことによる改正である。難病の方々が社会保障制度に組み込まれ、医療費助成を受ける方がふえることは歓迎したい。
しかし、結果的に、今まで三鷹市から手当を受けていた方々が、国・都の医療費助成の対象外となり、制度のはざまに陥る場合があり得ることが確認された。
前回の改正により、軽快者などという理由によって医療費助成から外れた方がどのような暮らしになっているのか、福祉手当の対象外になった方が医療継続ができているのかという実態を把握できていない状況も確認された。
国の福祉政策が給付抑制に動いている今だからこそ、市民の暮らしの実態を知ることのできる基礎自治体は、寄り添えるセーフティーネットを張りめぐらせるべきである。
残念ながら、今回の改正は、制度のはざまに陥る人を新たにつくるものであって、容認できない。
よって、本条例改正案に反対とする。
◯16番(野村羊子さん) それでは、議案第60号について質疑をいたします。
この議案は、多摩青果跡地に建設中の多機能複合施設の整備事業委託費の金額を3億7,436万3,000円増額し、今年度の総額は17億9,940万、事業総額の概算が50億8,793万8,000円となるというもので、この変更はインフレスライド条項、物価上昇によるものと説明をされました。
質問の1番ですが、なぜ今、補正予算が可決された直後に、即決議案として上程され、そのまま採決しなければならないのか、この日程的な理由について質問したいと思います。
質問の2です。今、前の議員の質疑の中で、大枠、この中身の根拠ですね、この金額の根拠について、大枠は示されており、詳細についてはURに情報公開請求すればとれるというふうになりました。この具体的に賃金上昇の水準とか物価上昇の水準、そういうことについて、適切というふうな発言を先ほどからずっとしていますけれども、この適切か否かの根拠について市はどのように確認をしたのかということ。で、議会がそれをどのように確認すればいいのかということをどのように考えているのか。大枠で適切だと、チェックをしたと、市はね、言っていますが、それについて確認をしたいと思います。あわせて市民が、市に対して、これについてね、市はどのような形でこれをね、確認したのか、適切と判断したのかということについての情報公開請求した場合に、どのような情報があり得るのかということを確認したいと思います。
そして、質問の3番目ですけれども、今回、この増額分、3億7,436万3,000円の増額のうち3億3,400万が市債として起債されることになりました。その他の起債もあって、今議会での補正予算の中での起債総額は6億8,610万となりまして、今年度の一般会計における市債発行額というのは、この契約変更がなされた時点で総額幾らになるのかということを確認したいと思います。
さらに、この事業、来年度まで続きます。最低賃金はまた引き上げられます。そして、オリンピック特需という状況は変わりません。あるいは今後さらなる資材高騰等々、等々、さまざまな状況というのはそれほど大きく変わらないのではないか、すなわち再スライドもあり得るという契約になっていると思いますが、再スライド、さらなるこの契約金額の変更、増額の可能性があるのかということについて、以上お願いいたします。
◯16番(野村羊子さん) わかりました。1つはですね、なぜ今、上程をしたのかということについて、やはり上程理由の中に、今とにかく必要なんだということをきちっと述べておくべきだったのではないかと思います。上程理由が非常にあっさりをしておりまして、これだけで議会としてね、責任を持って、はいと言い切れるかということについて、やはり上程の際の資料とか説明の内容についてですね、やはりきちっとするべきではないのかと思いますが、その点について見解があればお願いしたいと思います。
それと、今回の残工事が──建設工事については99.5%の予定だというふうになっていますが、そうすると多機能複合施設に関してはあり得ない、可能性は非常に低いと見ますが、あわせて新川防災公園のほうも、想定をすると言われましたが、これ、まだ、公園、土を盛る作業とかっていうのは来年度続きますよね。それについても、今回のこの多機能複合施設ではなくて、既に補正予算のほうで審査をしたと思いますが、そっちのほうに含まれているというふうな想定をしていいのかどうかということを改めて確認したいと思います。
議案第60号 新川防災公園・多機能複合施設(仮称)整備事業に係る多機能複合施設(仮称)の整備に関する委託契約に係る契約の金額の変更について、反対討論をいたします。
本議案は、本日採決された議案第47号 三鷹市一般会計補正予算(第2号)に含まれるもので、多摩青果跡地に建設中の5つの施設が入る多機能複合施設整備事業のUR都市再生機構への委託料、今年度契約金額を3億7,436万3,000円増額し、17億9,440万とするもので、事業費の総額は概算で51億8,793万8,000円となります。この変更は、いわゆる新川防災公園・多機能複合施設の整備に当たり、賃金水準及び物価上昇による建設工事等の請負契約書第25条第6項に規定するインフレスライド条項の適用及び三鷹市民センター周辺地区防災公園街区整備事業に係る基本協定(以下「基本協定」という。)第9条第3項に基づき増額するものです。
私たちは、この条項等によりURから経費の追加請求がされる可能性があることを指摘し、新川防災公園整備事業計画に反対した経緯があります。本議案についても総額のみを示され、具体的な数字の根拠については資料がなく、市が大枠を確認したとの答弁であり、議会が責任を持って議決するには十分とは言えないものです。また、市民への説明責任についても、事業の終了後に一定期間、例えば公開可ということで、この審議が終わった後、もう既に決まった後でなければ市民はこれについて検証できないということは、やはり問題だと思います。本来であれば、委員会に付託して慎重審議すべきだと個人的には考えますが、日程に期限があるというふうな話もありましたので、即決となったということはいたし方のないものと思っています。負担増加の懸念が現実的なものになったということに対して遺憾の意を表して、本議案に反対いたします。
◯16番(野村羊子さん) 熱中症予防のための生活保護費の「夏季加算」または熱中症対策助成の創設を求める意見書について討論いたします。
東京都監察医務院の調査では、ここ数年の東京23区内での7─8月の熱中症の死者のうち9割が屋内で死亡し、そして85%がエアコンを使用していないという結果になっています。2011年東京都は、余りの暑さに緊急処置として、生活保護世帯に対する冷房機器設置の緊急支援策を実施し、生活保護費を受給する世帯の高齢者に対し、エアコン購入費用として1世帯当たり上限4万円を1回に限り支給しましたが、この年限りの緊急処置でした。
現在、エアコンの購入費用は東京都社会福祉協議会の貸付制度になっています。その実績は2014年度に90件、2015年度には7月16日までで17件となっています。エアコン購入費に関しては、生活保護費以外の収入のない世帯でも貸し付けを受けられますが、段階に切り下げられている生活保護費の中でやりくりするため、本当に必要な人が使える制度とはなっていない。この生活保護制度は、憲法に保障される健康で文化的な最低限の生活を国民に保障する制度で、社会保障制度の最後のセーフティーネットです。日本の生活保護捕捉率は低く、生活保護世帯以下の収入で生活している人々が多くいるのも現実です。生活保護に至る前の低所得者支援として住宅の現物給付とか医療費補助などさまざまな支援策を充実させるということが必要であり、それが社会の安定、自立支援にもつながると考えます。
地球温暖化の中で日本全体での気温が上がる中、熱中症が増加しており、これを予防することは、人の命を守り、さらには医療費削減にもつながる施策であると考えます。したがって、低所得者支援としての熱中症対策助成の創設、そして生活保護費の夏季加算を求める本意見書に賛成をいたします。