討論・2016年6月

平成28年第2回定例会 野村羊子討論

議案第29号 三鷹市市税条例等の一部を改正する条例の専決処分について

◯16番(野村羊子さん)  それでは、三鷹市市税条例等の一部を改正する条例の専決処分について、質問をいたします。
まず、個人市民税の医療費控除についてです。この医療費控除は2017年1月1日から特定健診等を受けた人がスイッチOTC医薬品を買うと、年額1万2,000円を超える部分が控除対象となるとされています。幾つもの条件が重なり過ぎて、該当者が誰なのか判断しにくいものです。まず条件の1、特定健診、予防接種、事業主健診、がん検診等を受けた人ですが、この資格要件はどのような形で確認をするのでしょうか。どのようにこの対象者に周知するのでしょうか。
条件2は、その上でスイッチOTC医薬品のみを年額1万2,000円以上購入した場合ですが、このスイッチOTC医薬品ですが、本来、医師の処方がないと買えない医薬品を薬局でも購入できるようにしたものですが、薬の性質上、年額1万2,000円以上も購入するような、日常的、恒常的に使用するものなのでしょうか。そして、この医薬品だけに限定するのはなぜでしょうか。
通常の医薬品より強力なものだというふうに理解しておりますが、このスイッチOTC医薬品の購入を結果的に推奨することになりますが、そのことによる弊害、副反応等の健康被害というのはないのでしょうか。
現実にこの条件、幾つもの条件を満たす人、控除の対象者はどの程度いるのかと見込んでいるのでしょうか。国の見込みとしてどうなっているのか、わかっていたら教えてください。また、該当者は確定申告を受け控除を受けることになると思いますが、それに伴う行政側の費用、控除内容を周知する宣伝費用とか、あるいは確定申告を受け付け、還付する手間暇、あるいは実際の控除による税収減等のコストとこの医療費控除が狙う医療費削減効果をどのように見積もっているのでしょうか。
そして、次ですね、法人市民税割の税率引き下げですけれども、消費税が10%増税されることを前提での法改正に伴うものですが、この増税の延期は確定されたのでしょうか。法的根拠はどこにありますでしょうか。延期による影響は、この法人市民税割、税率引き下げに関してあるのでしょうか。この消費税増税にあわせて、その他法人税割額一部国税化とか税率引き下げ等々も予定されていたかと思いますが、これらもあわせて消費税増税に伴って延期されるのでしょうか。
次に、軽自動車税環境性能割の創設についてお伺いします。これも、そもそもは消費税増税に伴うさまざまな措置によって、その関連の中で創設されるものと理解しておりますが、消費税増税の延期に伴って延期されるのでしょうか。
以上お願いいたします。

◯16番(野村羊子さん)  結局ですね、まずこの医薬品のほうについては、詳細はわからないままやる、条例改正するということで、本当にそれでいいのかっていうのは1つ疑問として、今までのね、国の進め方を含めてですね、詳細を決めないまま、とにかくやれというふうなことが、ただ続いています。ここ数年ずっとね。子ども・子育ての関係にしても、介護にしても、マイナンバー、共通番号制度の問題にしても、なかなか決まらない中、自治体としては準備を進めなくちゃいけない。そのことは本当におかしなことだと思いますが、これについて、本当に行政費用、さまざまかかりますね、医療費控除に関する費用というのもかかってくると思いますが、これについて、国はちゃんと必要な費用っていうのを充ててくるんでしょうかね。というのは、それについてどのように考えているかということはまず再質問したいと思います。
そして、消費税の問題については、では、現在は増税延期というのは法的根拠がないと、つまり、決まっていないんだということが、行政側としてはそういう姿勢で臨むしかないということですね、ということを再度確認したいと思います。お願いいたします。


議案第34号 三鷹市立高山小学校時限付き新校舎整備工事請負契約の締結について

◯16番(野村羊子さん)  それでは、第34号 三鷹市立高山小学校時限付き新校舎整備工事請負契約の締結について、質問いたします。
まず、時限つき新校舎。
児童の増減により新校舎が必要だということで今回の建築整備になるわけですけれども、時限つき、ここにはその年限が書いてありませんけども、使用年限、いつまでを想定しているんでしょうか。
耐用年数、先ほど建築基準法を満たすというふうな答弁がありましたけども、耐用年数をどのようにね、想定して設計しているのか。その使用年限を、その期間もてばいいというふうな中身なのか、そうではなくて、通常であれば30年から60年と考えられている建築、そういうものが可能となる建築なのかということをまず確認したいと思います。時限終了後、どのようにこれをするのかということの想定されているのか、それについても伺います。
また、契約金額3億7,562万4,000円になります。校舎の建設ということですけれども、これについて補助金等の活用等はあるのでしょうか。それとも全て一般財源ということでしょうか。99.94%の落札率というふうなことで、先ほど来幾つかありますけども、どう評価するのかということについて、再度お願いしたいと思います。
以上です。

◯16番(野村羊子さん)  御答弁ありがとうございます。再質問させていただきます。
1つは、施設、建物としては40年から60年というような通常の建設をするということで、子どもたちの安全性ということを考えればそれはそれでいいことですけれども、それによって、建設の費用というのが違ってくるのかどうか。それについてシミュレーションなさったのかどうか。例えば15年間もつ建物ということを想定して建設した場合に、これ、幾らか違ってきたのかどうかということについて、まずお伺いしたいと思います。結果、将来的にどうするかということについては、その後の検討ということですが、今ね、公共施設をどうするのかということが非常に課題となっている時代において、新しく建てるということについて、必要だということは認めますけども、その辺についての検討の方向性というのも全く見えないんですが、それについてどのように考えるのかということを再度お伺いしたいと思います。
つまり、校庭という場所という問題もありますけども、例えばその当時、その時点で必要となる施設への転用等々、要するに補助金を使わないのであれば、市のほうでこれ、転用することも可能であると考えますが、そのような方向性は考え得るのかどうかということについてお伺いしたいと思います。

◯16番(野村羊子さん)  それでは、討論いたします。
落札率99.94%ですが、私たち会派では、この高落札率については再調査すべきではないかということを主張してまいりました。現在の状況、昨今の建築事情を含めてですね、ある意味で一定のいたし方のない状況であるというふうなことは考えます。また、子どもたちの状況を考えればね、現在待ったなしの事態であるということも含め、今回はやむなく、これについては賛成したいというふうに思います。
ただ、やはり落札率の考え方、入札のあり方等々については、引き続き検討課題としていただき、これについては、さまざまな競争原理を含め、そしてその入札の内容について含め、きちっと再検証していくということを問題提起し続けていきたいと思います。


意見書(案)第13号 骨髄移植ドナーに対する支援の充実に関する意見書

◯16番(野村羊子さん)  骨髄移植ドナーに対する支援の充実に関する意見書について討論いたします。
骨髄移植は、その他の治療で効果がない場合の急性及び慢性の骨髄性白血病に有効な治療ですが、100%完治するものではありません。移植してもしなくても5年生存率は50%前後であることが多いのですが、中には完治に近い状態になる患者さんもいらっしゃる、ある意味でハイリスク・ハイリターンな治療法です。
私が尊敬していたある議員さんは、臍帯血移植をした後、退院することなく40日後に亡くなりました。現役で活躍中だったので、衝撃をもって訃報を聞いたことを忘れられません。すなわち移植したことによって死期を早める患者さんもいらっしゃる、リスクある治療法だということです。そして、骨髄を提供するドナーにしてもリスクがあるものです。施術後1週間程度は何らかのふぐあいを訴える人が多く、翌日の歩行に問題なしは75%、つまり、4分の1は歩行に際し何らかの違和感、ふぐあいを感じているのです。歩行困難者は0.6%ですので、さほど大きな後遺症ではないかもしれません。しかし、後遺症がゼロではないことも明らかです。
骨髄を提供したことにより後遺症が発生した場合の補償は、損害賠償保険が適用されると本意見書には書かれていますが、骨髄移植に伴うものかの判断が争いになることも実際には起きているようです。また、健康障がいは保険適用されるからといって、回復するものではありません。医療へのアクセスを継続的に保障するなどといったさまざまな対応が必要です。長期にわたって後遺症に苦しめられる人がいることを忘れてはなりません。
本意見書は、移植に至るドナーの比率が少ない原因として、休暇制度、休業補償がないためとしていますが、現実には後遺症、健康障がいのリスク等から来る不安のために、本人及び家族の同意が得られないために、移植に至らないケースがあると考えられます。
本意見書には、移植される患者さんのリスク及びドナーのリスク、万が一の健康障がい等に対する医療保障を初めとする補償の充実などの要望等が不足しています。内容が不十分であり、休業補償等を充実することにより、ドナーに同意を強要することがあってはならないということを申し添え、あえて反対するものではありませんので、賛成といたします。


意見書(案)第14号 待機児童解消に向けて緊急的な対応を求める意見書

◯16番(野村羊子さん)  待機児童解消に向けて緊急的な対応を求める意見書について討論いたします。
本意見書は、保育園待機児解消のため、緊急的な対応を求めるとしていますが、記載された内容は2013年にスタートした待機児童解消加速化プランの枠を出るものではありません。政府は、過去3年間、このプランに沿った施策を展開してきており、既に21万9,000人の受け皿を用意した上で、目標数を40万から50万に上積みしています。しかし、実際は保育園待機児童はふえるばかりです。格差と貧困が広がる社会情勢そのものが、幼い子どものいる親たちを就労せざるを得ない状況に追い込んでいるからです。
さきの国会で安倍政権が打ち出した緊急対応は、結局、予算の伴わない定数や面積の緩和、規制緩和であり、子どもの命をないがしろにするものです。まずなすべきことは、保育関連予算をふやし、自治体が認可保育園をつくる際の費用を国庫負担金として復活させることです。また、保育士の処遇についても、男性の6割しかない女性の平均賃金と比較するのではなく、全従業者の平均と比較しての対応、小手先の数千円レベルではなく、何万円単位の増額、抜本的な処遇改善が必要です。
かつて看護師も補助的役割としてその処遇が抑えられていましたが、専門職として認識を改めさせ処遇改善を果たし、一定の看護師不足を解消しました。教員も思い切った処遇改善が図られ、人材確保されてきた経緯があります。
人をケアする仕事、保育、介護などは、家庭の主婦、女性が無償で担うものとされてきた日本型社会保障の中にあって、専門職としての価値が認められないまま、今に至っています。保育士、介護士も看護師あるいは教師と同様に人の命を預かり、支える専門職です。看護師、教師と同様の専門職としての処遇ができるように、根本的な認識の改革と同時に抜本的な処遇改善が必要です。
医療、教育を含めた人をケアする社会保障に公が担う公共事業であると位置づけ、財源を振りかえる大胆な政策の方針転換が必要だという意見を添え、本意見書の内容、不十分ではありますが、あえて反対するものではありませんので、賛成といたします。


意見書(案)第15号 次期介護保険制度改正における福祉用具、住宅改修の見直しに関する意見書

◯16番(野村羊子さん)  次期介護保険制度改正における福祉用具、住宅改修の見直しに関する意見書に討論いたします。
社会保障を有無を言わさず削減する方向で安倍政権は切り捨てを行っています。介護を社会で担うには財源を消費税に求めるのではなく、国の責任としてしっかりと予算を振り向けるべきです。骨太の方針では、軽度者への給付や負担のあり方について見直すことが明記されており、具体的に例示された福祉用具や住宅改修にとどまらない影響が懸念されます。
政府・与党は、今現在を生きる国民の暮らしを守るために、国を守る国防予算ではなく、国民の命を守る社会保障費に財源を充て、高齢者とその家族の基本的人権が守られ、幸福に暮らせるようにすべきであるとの意見を添えて、内容は不十分でありますが、趣旨には賛同し、賛成といたします。


意見書(案)第16号 障害者総合支援法に基づく地域生活支援事業に関する意見書

◯16番(野村羊子さん)  障害者総合支援法に基づく地域生活支援事業に関する意見書に討論いたします。
障がい者といえども、生活の質を確保するのは当然です。養護学校では確保できていた、高校、中学で確保できていた文化芸術活動や運動、余暇活動などが卒業後には確保できないため、できていたことができなくなっているようだという若い障がい者の保護者から、不安や懸念が寄せられています。就労支援施設は基本の活動が就労であるため、個別の障がい者の生活の質向上のための活動に取り組み切れない現実があります。一方で、高齢になっても就労施設しか通所する場所がなく、いつまで働かせ続けるのかという課題に直面している場合もあります。障がい者の高齢者施設への移転はままなりません。
これらの課題を解決するためにも、日中働くためではない、居住のためでもない居場所、利用者の生活の質を向上させるためのきめ細かいサービスを提供できる施設・サービスが必要です。
以上の理由により、本意見書に賛成といたします。


意見書(案)第18号 認可保育園の新設・増設でこそ保育園待機児童を解消するための意見書

◯16番(野村羊子さん)  認可保育園の新設・増設でこそ保育園待機児童を解消するための意見書に討論いたします。
なぜ社会保障にのみ財源確保を求められるのでしょうか。軍事予算は防衛費、米軍思いやり予算、辺野古新基地建設等々を含めると5兆円を超えました。財源はどこにあるのかという議論はなされたのでしょうか。東京外郭環状道路は、1メートル建設するのに約1億円かかるというゼネコン活性化事業ですが、当初は高速道路株式会社が利用料金の中から賄うとされていたのに、いつの間にか大半、税金をつぎ込むことになっています。財源がどこにあるか議論がなされたでしょうか。
認可保育園を100カ所、保育士の給与を5万円引き上げるのに必要な金額は約3,000億円と言われています。今いる子どもたちの命を守らずして、どうして国を守り、社会を発展させることができるのでしょうか。小手先の規制緩和による対策ではなく、国を挙げての対策、対応が求められています。
保育園整備に対する国庫負担金の復活を求める本意見書に賛成といたします。


意見書(案)第19号 消費税増税の中止を求める意見書

◯16番(野村羊子さん)  消費税増税の中止を求める意見書について討論いたします。
消費税の8%から10%への増税延期は、安倍首相の6月1日の記者会見で発表されました。しかし、これは安倍首相の言葉だけ、いわば口約束です。16日の三鷹市議会本会議での即決議案、市税条例改正の専決処分に対する私、野村の質疑で明らかになったように、実際の法改正などの手続はまだなされていません。7月10日実施の参議院選挙後に開かれる臨時国会で、政府が10%引き上げを延期するという改正法案を提出しなければならず、すなわち何もしなければ、消費税は来年4月に10%に増税されるのです。法治国家ですから、首相の言葉だけではだめなのは当然です。
以上のことから、今現時点で増税中止を求める本意見書には大きな意味があると考え、本意見書に賛成いたします。