討論・2016年3月

平成28年第1回定例会 野村羊子討論

議案第11号 三鷹市収入証紙条例を廃止する条例

◯16番(野村羊子さん)  それでは、三鷹市収入証紙条例を廃止する条例について、質疑をさせていただきます。
この条例、1964年に施行されて、地方自治法に基づいて収入証紙、手数料にかわって証紙を張るというふうなことを定めたものです。2014年度決算で582万余の収入があるものですが、なぜ今、これを廃止することにしたのでしょうか、その理由をまず、もう一度明確にお願いいたします。
それから、この収入証紙を廃止することによって、市民のデメリット、不都合は生じるのかどうかということについてお伺いいたします。お願いいたします。

◯16番(野村羊子さん)  基本的なデメリットはないというお答えですけれども、収入印紙のようなね、ものであれば、国は収入印紙という扱いでやります。そうすると、前もってこれ、購入をして、そのとき使うというふうなまとめ買い、先買いをしているっていう可能性があると思うんですけど、今回の廃止条例でも、この先、施行日よりも後まで使えるようにしたり、あるいは払い戻しをしたりというふうな規定を入れていると思います。なので、どれくらいね、先買いしているようなものがあるというふうなことが把握できているのだろうか。あるいはどのような事業所の方がね、こういうようなまとめ買い、先買いをしている可能性があるのか、把握しているのかどうか。そういう人たちに対して、今回の廃止や払い戻しについてのお知らせがきちっと行き届くのかどうかということについて、再度確認したいと思います。


議案第20号 平成27年度三鷹市一般会計補正予算(第4号)

◯16番(野村羊子さん)  それでは、補正予算(第4号)について質疑をさせていただきます。
これは、提案理由の説明で、賃金引き上げの恩恵が及びにくい低年金受給者等への支援策と説明されました。なぜ今、この一過性の事業を行うのかということですね。低年金受給者とされていますが、対象とされている臨時福祉給付金の対象者は、年金受給やその他の収入の有無にかかわらず、非課税が条件であります。今回も同じだということでいいのでしょうか。また、支給が3万円の根拠というのはどこにあるのでしょうか。
現在、今回の提案の中で、三鷹市における支給対象者は1万2,500人とされています。高齢者への給付金という言い方も国はしておりますけれども、三鷹市内に65歳以上の高齢者、何人いて、この支給対象者の比率はどの程度になるのかということについてお伺いしたいと思います。
それともう1点、事務経費も含めて100%国からの補助金となっております。支給額は3億7,500万余の給付費で、事務経費は3,507万円です。この事務費の算定根拠はあるのでしょうか。これで十分三鷹市の事務経費、賄い得るのでしょうか。これについてお伺いいたします。お願いいたします。

◯16番(野村羊子さん)  消費拡大のために来年度前半の、というふうなことですけども、この支給についてですね、期限──いつまでに実施しなければいけないというふうな期限が切られているのかどうかということですね。先ほど来、出ています臨時福祉給付金、来年度も3,000円の給付をするというふうな予定が出ています。対象者はほぼ同じと考えられますが、あわせて一体的に給付するということが──それによって給付作業が多少の効率化を図れるのではないかと思いますが、それが可能なのか否かということ、実際この業務に従事する職員、何人くらいかかってしまうのかということについて、再度お伺いいたしたいと思います。

◯16番(野村羊子さん)  それでは、討論させていただきます。
なぜ今、このような給付を行うのか、6月までに補正を組んでまでして配付しなければいけないのか。消費税増税は先送りされているということについて、本当になぜ今なのかということは理解に苦しみます。確かに高齢者の貧困、低年金者の困窮は問題です。同時に財政難という理由から、介護保険給付を抑制し、要支援1・2の生活援助を自己負担としようなどという提案、あるいは介護保険税や国民健康保険税の値上げ等々、高齢者の生活に打撃を加え圧迫しているものは幾つもあります。
また、今、保育園待機児問題で悲鳴を上げている親の声に、実際に本当に起こっているか確認しようがないなどという答弁があったりなどして、本当に国民のあらゆる層での思い、それに対してどう対応するかということが全くない状態のまま、1,100万人に3万円をばらまく政策効果って、一体どの程度あるんでしょうかね。また同時に、賃金引き上げの恩恵を受けているという国民がどの程度いるでしょうか。
三鷹市ではね、個人市民税は増収しており、恩恵を受けている人たちがいるのだろうという推測はできますが、国レベルでは実質賃金が下がり続けており、個人あるいは中小企業、さまざまな立場の人たちが苦しい思いをしています。アベノミクスの効果と言われても、誰も実感がないというふうな実態ではないでしょうか。今回の給付金は、消費税10%対策とされている年金生活者支援給付金の前倒しとも説明されていますけれども、この対象者、年金受給者は600万人であり、今回の1,100万人を対象とする給付とは性格が異なるということですね。ですので、今回のように給付に条件をつけ、さらに期限を切ることで給付作業は煩雑になり、自治体に過度に負担のかかる業務を強いるというふうなこと、行財政改革で定数を減らして人手を減らそうとしている中で、本当に実情を無視した事務作業に追われるという状態を強いるということに対する状況に対しても私は怒りを覚えます。
今回のような一時金ではなくて、年金生活者の基礎年金の国庫負担増などといったような抜本的制度改革が求められている。そのことに何ら対応せずに、国の補正予算3,624億円ということに対しては、根本的に反対だという立場から、本議案に反対をいたします。


議案第3号 三鷹市生涯学習センター条例

◯16番(野村羊子さん)  それでは、まず議案第3号 三鷹市生涯学習センター条例について、質疑をいたします。
1、当初の予定どおり施設の維持管理だけを指定管理者に任せ、具体の事業は直営で行わないのはなぜかについて質疑がありましたでしょうか。
2、今回の条例の目的、多世代にわたる多様な市民の主体的な学習を保障し、社会教育を含む生涯学習の振興を図るためが、市民の学習する権利の保障となるのかについて質疑がありましたでしょうか。
3、利用料について、現行どおり社会教育の登録団体は無償使用が可能になるのかについて質疑がありましたでしょうか。
4、公民館運営審議会と同等の運営協議会の設置の有無について質疑がありましたでしょうか。
5、社会教育には資料が必要ですが、生涯学習センターには資料室の設置予定があるかについて質疑がありましたでしょうか。
6、社会教育会館には鑑賞室が設置されていましたが、今回の生涯学習センターにはその予定がありません。現会館にはピアノもあり、合唱の練習などに活用されてきた経緯がありますが、新しい生涯学習センターのどこで音楽が可能なのかについて質疑がありましたでしょうか。
7、現行どおり公民館保育を保障すると市民に約束してきた経緯がありますが、条例にはありません。どこで規定し、それを保障するのかについての質疑がありましたでしょうか。
8、第11条、使用の不承認の条項に、今まで三鷹市の施設設置条例になかった新たな項目が挿入されていますが、理由、根拠を問う質疑があったでしょうか。
以上、よろしくお願いいたします。

◯16番(野村羊子さん)  それでは、討論させていただきます。

議案第3号 生涯学習センター条例

議案第3号 生涯学習センター条例制定に反対する立場から討論します。
委員長報告に対する質疑は、委員会内で質疑があったかなかったかについてのみで、正確性を欠く可能性があるので、内容については踏み込まないとされています。議事録作成、委員会についてはおおむね5カ月後であり、委員会を傍聴したくてもできない市民への対応を早急に議会内で検討すべきだということを一言申し上げて討論に入ります。

本条例は、生涯学習センターの設置とあわせて、社会教育法に基づく公民館と位置づけた社会教育会館本館、東西分館3館の廃止、公民館運営審議会の廃止及び下連雀図書館の廃止を抱き合わせた条例です。詳細を定める施行規則や要綱は未確定で、施行規則の概要が審査参考資料として委員会に提出されたのみです。新川防災公園・多機能複合施設(仮称)管理運営方針では直営だったのに、指定管理と変更した理由、なぜ直営で運営できないかについて、納得できる根拠が示されていません。同じ複合施設に入る福祉センターや子ども発達支援センターは直営とし、施設管理は業務委託をします。また、福祉センターは、老人福祉法に基づく老人福祉センターとしての登録を行うと聞きました。ならば生涯学習センターも社会教育法に基づく公民館として位置づけることは可能なはずです。公民館に位置づけることのどこに不都合があるのか、生涯学習が社会教育より広い定義であったとしても、公民館で生涯学習事業は行えます。今、活発に活動している多摩地域の公民館は、福祉と連携事業などを実践しています。公民館であっても、幅広い世帯対象の幅広い学習をサポートすることは可能なのです。

本条例案第1条、目的及び設置には、多世代にわたる多様な市民の主体的な学習を保障し、社会教育を含む生涯学習の振興を図るためとされています。基本的人権としての学習権を保障するには、いささか弱い表現だと思います。しかしながら、この点の確認は不十分でした。将来的に学習権の保障ではなく、サービスとしての講座事業となってしまわないかを危惧いたします。

社会教育は、本来無償で提供されるものです。三鷹市の生涯学習プランに、いつでも、どこでも、誰でも、いつまでもとうたってきた経緯からしても、誰でも活用できるようにすべきです。利用料について現行どおり社会教育の登録団体は無償使用が可能になるかについては、市民大学総合コースはセンターが行う事業であるとされただけで、それ以外の団体については明確にされていません。無償提供されるべき社会教育を指定管理に委ね、事業を有料化する道を開くことは、商業主義のカルチャーセンター化することを許容するものであり、市民を経済力で分断し、差別することにつながるものです。利用料及び講座受講料は、少なくとも高齢者、低所得者、子ども・若者には無料とするよう明記すべきでした。

公民館運営審議会は、2014年9月29日の提言で、生涯学習による市民との協働のまちづくりを進めるために、中略します、より積極的できめ細かな審議会活動が求められるとしましたが、新たに設置される予定の社会教育委員を含む生涯学習審議会が公民館運営審議会の代替機能を持つかについては明確ではありません。また、この公民館運営審議会での提言では、さらに自主グループの学習活動の保障は大きな課題であり、利用者と社会教育会館との定例会の設置をし、利用者と定期的な会議を持ち、常に利用者の声を聞きながら運営していくという姿勢が必要であるとしています。利用者懇談会がそれを受けとめる器となるのかどうか、今後の運用について注視したいと思います。

下連雀図書館は、単に図書の貸し出しだけではなく、子どもたちや高齢者の居場所として機能していました。子どもが歩いて通う距離は、高齢者と同様、一定の限界があります。その機能の代替は、残念ながら下連雀、六小学区にはありません。
一方で社会教育には資料が必要ですが、新たな生涯学習センターには資料室があるかについては不明です。社会教育会館の資料室として機能してきた下連雀図書館の代替機能が準備されていないこと自体が問題だと考えます。

現在の社会教育会館の利用団体には、合唱団など音楽の練習をする団体が幾つもありますが、新施設ではどこでそれが可能かについての明示がありません。有料のグラウンドピアノではなく、日常の練習に使える設備の代替機能が確保されていないことは問題です。
また、保育室について、現行どおり公民館保育を保障すると市民に約束してきた経緯があります。その規定が条例にも施行規則概要にもありません。現在の保育士の雇用継続の保障もありません。現行の学び合い育ち合う公民館保育を今後も継続・継承していくためには、根拠とする規定が必要です。残念ながら甚だ心もとない状況であると言わざるを得ません。

さらに、第11条、使用の不承認の条項に、今まで三鷹市の施設設置条例になかった新たな項目、いわゆる政党要件と宗教要件が挿入されています。社会教育法によるとされていますが、社会教育法第23条は、公民館が行ってはならない規定を定めているだけで、使用する市民について規制しているわけではありません。地方自治法第244条2項には、正当な理由がない限り、住民が公の施設を利用することを拒んではならないとし、3項において、住民が公の施設を利用することについて、不当な差別的取り扱いをしてはならないと規定しています。最高裁は、公の施設の使用拒否について、憲法第21条、集会の自由を重視する観点から、使用拒否が認められるのは、人の生命、身体、または財産が侵害される危険性を回避する必要性が優越する場合に限られるとしています。使用制限を拡大して規定することは、三鷹市政の基本理念である基本構想が示す自治、人権を侵し、市民活動を制限する可能性があり、問題です。

最後に、手続として社会教育会館条例の廃止は別の条例とすべきでした。移転をしない分館も同時に廃止することとなり、分館については、今回の施政方針において漠とした方向性が示されていますが、位置づけ等が不明確なまま、先に廃止だけを決めるのは乱暴なやり方だと言わざるを得ません。

また、生涯学習センター設置についても、詳細が未定の部分が多く、審査し切れないという感は否めません。今議会ではなく、少なくとも施行規則を詰め、それを参考資料としてあわせて審議できる段階で議案にすべきであったと申し添えて、以上の理由による生涯学習センター条例に反対といたします。

委員会で賛成討論をしています。本会議場で読み上げられる委員長報告には掲載されていないのでわかりにくいと思います。
http://www.city.mitaka.tokyo.dbsr.jp/index.php/6278590?Template=doc-one-frame&VoiceType=OneHit&DocumentID=4094


議案第6号 三鷹市福祉センター条例

〔反対討論〕

(1) 野村羊子委員(にじ色のつばさ)
福祉会館は長年、福祉に寄与してきたさまざまな市民団体に活用されてきた。浴室等、自立した高齢者が寄り集う場となってきた。今回、新しい施設に入ることで管理運営を新しい財団に業務委託し、社会福祉協議会への指定管理から市の直営とするものである。施設管理を新財団がまとめて行うことで、今までの利用のあり方とは異なってくる。特に、調理室や大広間を使用してきた団体が、利用のあり方を変えなければいけないという実態を危惧する。

さらに、本条例案には、福祉会館条例にはなかった使用制限条項が入ってきた。公民館としての性格を継承する生涯学習センターと合築するため、そこにそろえるとされたが、社会教育法に規定されているのは公民館そのものが行ってはならない行為であって、公民館を使用する市民について規制しているわけではない。これは、三鷹市政の基本理念である基本構想が示す「自治」、「人権」を侵し、市民活動を制限する可能性があり、問題である。公平性の担保という答弁があったが、何が政治的で社会的課題かの判断について、疑問の余地の残るものであった。基本的には、条例が全ての根拠であり、条例を超えることを別に定めることはできない。今後決める要綱などで詳細を詰めるというのでは、条例の可否を判断することはできない。市民活動の制限をする危険性のあるこの条項は削除しなければならない。市側に削除を求めたがかなわなかった。

にじ色のつばさは、新施設そのものを、三鷹市にとって過大な施設であり、市財政への負担があるとして反対してきた経緯がある。今回、かさむ維持管理経費を賄うために施設使用料を徴収することとなり、市民に影響を及ぼすことが明らかとなった。
したがって、本条例案には反対とする。


議案第15号 三鷹市総合保健センター条例の一部を改正する条例

〔反対討論〕
(1) 野村羊子委員(にじ色のつばさ)
本議案は、総合保健センターが新施設へ移転するのに伴い、施設の使用に関する条項を追加するものである。

今回条例化することにより、今まで使用してきた市民団体、特に当事者団体の使用が制限されることを危惧する。施設管理を新財団がまとめて行うことで、今までの利用と異なってくるのではないかということが、本当にそのことが大丈夫なのかということが条例に書かれていない以上、不安として残る。

さらには、本条例案には、今までなかった使用制限条項が入っている。複合施設として全体にそろえるためとされたが、これは、三鷹市政の基本理念である基本構想が示す「自治」、「人権」を侵し、市民活動を制限する可能性があり、問題である。市民活動を制限する危険性のあるこの条項は削除しなければならない。市側に削除を求めたが拒絶をされた。

新施設そのものは、過大な施設であり、市財政への負担があることを鑑み、この間反対してきた。その経緯もあり、本条例改正には反対とする。


議案第13号 三鷹市高齢者センター条例の一部を改正する条例

〔反対討論〕
(1) 野村羊子委員(にじ色のつばさ)
本議案は、介護予防通所介護を要支援1・2の方に対して緩和する新しい総合事業に移転するということが盛り込まれたものである。要支援1・2の方が重度に移行せずに地域で暮らし続けることができるツール、これを緩和することによって本当にこの方々の支援が続けられるのか。市民ニーズの高い事業を削減する方向は問題であると考える。

緩和した事業が、国の思惑どおりに人件費を安く抑えた運営がされ得るとは限らない。対人サービスは命を預かるものであり、責任の持てる者が現場に対応していくことが必要である。実施されれば、今後多くの弊害が出てくることが予想され、特に実績払いという形では、障害者自立支援法でも、事業者が運営の困難さに直面し、多くの登録者を必要以上集めざるを得ないという経営努力が強いられるという事態となった。

今回の場合も、場合によっては、事業者が運営が立ち行かなくなるような事態になるということが懸念されるので、総合事業への移行を方向性とする本条例案に反対とする。


議案第14号 三鷹市立保育園設置条例の一部を改正する条例

〔反対討論〕
(1) 野村羊子委員(にじ色のつばさ)
福祉は非営利であり、その専門性と質の確保について、公が責任を持つ必要がある。当面の財政運営のみの判断で公立保育園を廃止するのは政策判断として十分とは言えない。子どもたちの未来を確保するためにも、公がしっかり責任を持って維持する必要があると考える。
よって、南浦西保育園を廃止し、民間に移管することに反対し、この条例改正案に反対をする。


議案第16号 三鷹市国民健康保険条例の一部を改正する条例

〔反対討論〕
(1) 野村羊子委員(にじ色のつばさ)
「持続可能な医療保険制度構築」をうたった国民健康保険法等の改正、すなわち国保の都道府県化は、制度を複雑にするだけで、都道府県にとっても、市町村にとってもメリットが見えないと言われている。当面、財政安定化しても、国民健康保険に高齢者や低所得者が集中するのは制度上必然である。

現在の改正議論の中で、都道府県化しても、資格管理や保険税賦課・徴収、給付等の事務の実際を市が担う現状は変わらず、保険者が二重に存在することになる。負担は変わらないのに、標準保険料を決められ、納付金額を決められと、枠がはめられてくる。自治体独自の裁量が奪われるものでしかない。

今回の国保税改定は、都道府県化の前倒しとして、平準化、公平化の名のもとに、国や都から法定外繰入率を減少せよ、削減せよとの指導のもとに行われる引き上げであることが明らかである。

国民健康保険加入世帯は制度発足時から大きく変わり、農林水産、自営業世帯など、営業所得は12.5%でしかない。非正規労働者、定年退職者の国保加入割合は増加の一途である。政府、日本経団連が進めた労働に関する規制緩和により、非正規労働者がふえ続け、「ワーキングプア」と言われる低賃金労働者を増加させている。厚生労働省の調査によれば、2012年、非正規労働者は労働者全体の3分の1を超え、増加の一途である。それは紛れもなく「国策」による増加であるから、国民健康保険財源に国保負担の引き上げがあってしかるべきである。

今回の条例「改正」は、国民健康保険加入者・市民への負担増である。国民健康保険法第1条は、社会保障及び国民保健の向上に寄与することを目的とするとある。それは国民皆保険制度の根幹であり、市民の「命」と「健康」のセーフティーネットである。国の言うままに、国保税引き上げをすることは制度そのものの存在を危うくし、市民生活を脅かし、また、この国のやり方は地域主権に反するものである。
よって、本議案に反対とする。


議案第19号 赤鳥居通り駐輪場等の指定管理者の指定期間の変更及び指定管理者の指定について

◯16番(野村羊子さん)  それでは、議案第19号 赤鳥居通り駐輪場等の指定管理者の指定期間の変更及び指定管理者の指定について、最初に質疑をいたします。

質問1、自転車駐輪場の運営については、市は管理運営費は支出しておらず、一方で指定管理者が納付する利用料超過分納付金等収入があります。この収支バランスについて質疑がありましたでしょうか。

2、23施設を一括で管理運営した場合の収支バランスの見通しについて、質疑がありましたでしょうか。

3、各駐輪場の指定管理の評価において、それぞれの利用率と利用料金及び収支バランスについての質疑がありましたでしょうか。

4、指定管理者の指定について、非公募で指定する場合について、三鷹市指定管理者導入・運用の基本方針に照らしての質疑がありましたでしょうか。

5、公の施設指定管理者候補者選定・評価委員会において、その委員であり、指定先のまちづくり三鷹の代表取締役会長である三鷹市副市長はどのような態度をとっていたかについての質疑がありましたでしょうか。お願いいたします。

◯16番(野村羊子さん)  それでは、議案第19号について討論いたします。
この議案は、市の駐輪場全23施設を一括して株式会社まちづくり三鷹を指定管理者として指定するものであり、そのための条件整備として指定期間の異なる22施設を、最初は3年間短縮して全て2016年3月31日までとして指定期間を統一するものです。

自転車駐輪場の利用料超過分等納付金とは、指定管理者が市の条例で定められた利用料を徴収し、駐輪場の管理運営実費に一定率を掛けた経費分を差し引いて、管理運営費プラス一定率を掛けた経費分、その合計を利用料から差し引いて、剰余分があればその2分1を市に納付するものですが、現在、駐輪場ごとに算出をし、赤字の場合は納付金ゼロとしています。2014年度の決算では、2,433万614円の歳入があります。しかし、実際に23の駐輪場のうち11施設が赤字であり、黒字から赤字額を単純に差し引きして収支をトータルすると、市への納付金は840万3,472円にしかなりません。事業者が事業経費を圧縮して対応しているのではないかと思われますが、この辺については定かではありません。ただ、事業者にマイナスを押しつけるのでは、サービスの質を確保した持続可能な経営は望めないと思います。

一方で、一括管理した場合の市への歳入の影響を含めた収支バランスについても、見通しが示されていません。納付金のあり方は今後の協議によると思われますが、効率的な運用による経費比率の見直しが検討されるものと思われますが、これについても明確な見通しが示されておりません。指定管理者制度が本来目指していた民間事業者と行政とのウイン・ウインの関係になるようなあり方を検討するのであれば、赤字駐輪場の利用料金のあり方も含めたサービス提供の内容について、創意工夫がさらに必要であると考えます。

一括して指定することは、不足ぎみの三鷹駅周辺での空き駐輪場の紹介等の利便性向上、あるいは駐輪場の回転率を上げるなどの収益率向上が図れるとされています。三鷹駅前は再開発事業によって一時的に駐輪場の不足状態になることが予測され、今回の指定期間内に対応検討が必要だと思います。期間を統一して一括して指定することのメリットには一定の理解をいたしますが、非公募による指定先が、三鷹市が出資している株式会社まちづくり三鷹であり、代表取締役会長が現役の副市長です。指定管理者選定の決定権者と受託事業者の代表者が同一人物であるということは、双方代理として認められないという会派の立場は変わりません。その選定会議に同席してないとしても、立場は同じものでありますので、そのことは認められないとして、本議案については反対といたします。


議案第22号 平成28年度三鷹市一般会計予算

◯16番(野村羊子さん)  それでは、議案第22号 一般会計予算について、反対討論いたします。
1、三鷹市まち・ひと・しごと創生総合戦略による新規事業は、実際は国の地方創生戦略、まち・ひと・しごと創生の交付金事業であり、国が認定した地域再生計画及び地方版総合戦略事業に交付金が出されるものである。そもそも地域再生、地方創生とは、その地域の人々の暮らしや自治発展のためにあるべきものであり、当該自治体が住民と協働してその具体の施策を独自に創造していくものです。国の認定が必要とされたり、国の役人が来て計画をつくったり、国主導の目標値達成の競争を地方にさせるようなものであってはなりません。この交付金は2分の1であり、市の一般財源を半分充てます。本当に今、三鷹市にとって必要な事業、やらなければならない事業なのかを問い直すべきです。

2、新川防災公園・多機能複合施設(仮称)を三鷹中央防災公園・元気創造プラザとして三鷹市芸術文化振興財団を改組する新財団を指定管理者として施設の管理運営体制を構築するとしています。複合施設の各設置条例において、使用の不承認にいわゆる政党要件等の項目を入れるのは市民の活動制限になりかねず、三鷹市基本構想及び三鷹市自治基本条例に反することであり、断じて認められません。

また、2014年度決算概要掲載の数字と比べると、事業費における市の実質負担額は4,500万円増となっています。今回、移転元の施設用地の売却時期を明らかにして、質疑の中で金額も明示されました。しかしながら、この売却予定金額をあらかじめ差し引いて実質負担額を見せるのは、負担額を小さく見せることであり、市民に対し、市民の目を欺くものではないかという指摘を過去もしてまいりましたが、今回、それもこのまま継続されて掲載されております。3年後、5年後の売却見込み金額が、今の金額で妥当なのかどうかの根拠は示されていません。

3、税・社会保障番号制度、いわゆるマイナンバー制度は、準備が整わない中、実施を延期すべきだという声を押して強行されましたが、危惧が的中し、システムが毎日のようにトラブルを起こしていると報じられています。三鷹市でも現実にはトラブル対応に迫られる職員のエネルギーロスは相当なもので、その分の損害賠償請求を国にしたい、それくらいの事案ではないかと思うようなレベルです。同時に、番号発行やカード交付に関するトラブルも全国で種々さまざま発生しており、市民にとって百害あって一利なしのシステムです。一刻も早く中止して、損害を最小限に抑えるべきです。市民の個人情報流出など危機的な状況になったときに、市長は、個人情報保護のために、この連携を断ち切ることが可能なのかについては明確にされていません。万が一の場合、安全確保が確認し切れないシステムと市のネットワークを接続するべきではありません。

4、保育定数の確保と保育士の処遇改善、すなわちその専門性と質の確保について、公が責任を持つ必要があります。国が財源確保をすべきところを怠っていることは明らかではありますが、子どもたちの未来を確保するため、市がしっかりと責任を持って維持する必要があります。定数の弾力的運用と、公立保育園の私立保育園への移管、民営化は、質の確保と同一労働同一賃金の観点から問題があると言わざるを得ません。

5、学童保育においても、定数の弾力運用と指導員の処遇について、市が責任を持って確保すべきです。待機児問題は早くから手を打ち切れなかった見通しの甘さが今の事態を招いているのではないでしょうか。柔軟な発想で早急に対応することが必要だと改めて申し上げておきます。

6、東京外郭環状道路整備においては、一貫して不要で無駄な公共事業であるとして反対してきています。国に対して異議申し立てもしてきています。現在、三鷹市域内において中央ジャンクション準備工事等さまざまな工事が始まっています。市民から全体像が見えないなど十分な情報提供がされているとは言えない状況にあります。地下水への影響を初め、粉じん、騒音、振動等、今後、工事に起因する被害について、市が独自に情報収集及び市民への提供を行い、迅速に被害対応に対応できるよう体制構築が求められています。

7、学校給食調理業務の民間委託は、市の栄養士が直接調理員に指示できないということで問題である。また、官製ワーキングプアを生み出しかねない構造であるということで、一貫して反対してきています。新たに2校を民間委託することをも含め、反対を表明いたします。

8、特別支援教室「校内通級教室(仮称)」は、制度が変わることへの保護者の不安があります。子どもそれぞれに応じた指導が必要時間数確保され得るのか、子どもに応じた本当に必要な指導がされ得るのか、不明な点が多く、慎重に丁寧に進めるべきです。

9、保育園、学校での給食食材の放射線量測定は、年に1回のみです。消費者庁から無料貸与が可能であり、活用すべきであると提言し続けていますが、残念ながらかないません。セシウム137の半減期は30年であり、まだまだ対応し続けなければいけない課題であると改めて指摘をいたします。

10、生活困窮者自立支援制度における相談支援員、あるいは児童虐待対策ワーカー、スクールソーシャルワーカー等増員することは評価できるものの、新・行財政改革アクションプランの推進による市民負担の増があることは問題です。

11、生涯学習関連業務を教育委員会から市長部局へ移すことは、教育の独立性、中立性、継続性維持の観点から問題であると、これについても指摘をします。
以上、問題点を指摘し、一般会計予算に反対をいたします。


議案第23号 平成28年度三鷹市国民健康保険事業特別会計予算

◯16番(野村羊子さん)  議案第23号 国民健康保険事業特別会計について討論いたします。
持続可能な医療保険制度構築をうたった国民健康保険法の改正等で、すなわち国保の都道府県化は、本当に実質実務を市が担い、負担は変わらないのに、標準保険料や納付金額が決められ、自治体独自の裁量が奪われるものでしかありません。

今期国保税の改定は、都道府県化の前倒しとして平準化、公平化の名のもとに、国や都からの法定外繰入率を減少せよとの指導のもとで行われる引き上げであります。これは地域主権に反するものです。法定外繰入率を下げろというのであれば、国民健康保険財源に国庫負担率をちゃんと引き上げるというものがあってしかるべきです。国の言うままに、あるいは東京都の言うままに国保税を引き上げることは、国民皆保険制度そのものの存在を危うくし、市民生活を脅かすものであると考えます。
よって、本議案に反対をいたします。


議案第25号 平成28年度三鷹市介護サービス事業特別会計予算

◯16番(野村羊子さん)  議案第25号 介護サービス事業特別会計予算について討論いたします。
介護予防・通所介護が介護予防・日常生活支援総合事業に移行することにより、利用者への影響と同時に、事業者としても影響が大きく、多くの弊害が出ることが予想されます。特に実績払いは障害者自立支援法でも、事業者が運営の困難さに直面し、多くの登録者を集めざるを得ない。と同時に、職員のボーナスを削減するといった経営努力が強いられています。場合によっては、事業者も運営が立ち行かなくなるような総合事業への移行には反対する立場から、総合事業実施を前提とした本予算案に反対をいたします。


議案第26号 平成28年度三鷹市介護保険事業特別会計予算

◯16番(野村羊子さん)  議案第26号 介護保険事業特別会計予算について討論いたします。
要支援1・2の訪問・通所サービスが保険給付から介護予防・生活支援サービス事業に移行する。要支援1・2の方が重度に移行せずに地域で暮らし続けることができるツールとなっていた訪問・通所サービスを削減することは問題です。

緩和した基準によるサービスが、資格を要しない市の研修の修了者であるみたかふれあい支援員によって実施するとされていますが、実際には、低額報酬による介護人材の使い捨てになりかねない実態をはらんでいることが明らかになってきています。対人サービスは命を預かるものであり、責任の持てる者が現場に対応していることが必要であり、なおかつ疲弊しない労働環境が求められます。国は、介護による離職や介護職からの離職を防ぐといいますが、そのためには介護報酬の大幅な引き上げや利用者の負担軽減が必要で、介護保険へ必要な財源を充てるべきです。増額している軍事費や無駄な公共事業土木費を削減し、減額し続けている法人税をもとに戻せば、財源を確保できると考えます。

今、国会では制度の持続可能性のために、中・重度に重点化するという議論がなされていますが、誰もが人らしく生き続けることのできる制度としてスタートしたはずのこの介護保険制度、利用者本位、利用者が選ぶ権利という制度の基本を堅持し、現状は長生きして申しわけないと高齢者に思わせてしまうような実態を払拭するような運営が求められます。

今期の介護保険改正によって、人が生きることを支え切れない実態が明らかになってきており、それを前提としているこの介護保険事業特別会計予算に反対をいたします。


意見書(案)第1号 児童虐待防止対策の抜本強化を求める意見書

◯16番(野村羊子さん)  意見書(案)第1号 児童虐待防止対策の抜本強化を求める意見書について討論をいたします。
政府の児童虐待防止対策強化プロジェクトは、この意見書で記以下に述べられている内容にほぼ相当いたしますけれども、その内容、意気込みは感じられるものの、具体的実効性は今後に委ねられています。子育て世帯包括支援センターの法定化、全国展開については、児童福祉法には児童家庭支援センターが既に位置づけられており、また東京都においては、三鷹市にもある子ども家庭支援センターという形で各地実施をしている実態があります。屋上屋を重ねることなく、役割分担等の連携のあり方を明確にし、財源確保をしていくことが必要です。児童相談所、一時保護所、あるいは児童擁護施設の職員配置等を含めた拡充は当然のことながら、ティーンのためのシェルターやステップハウス、相談支援の拡充など制度のはざまに落ちる子ども、若者たちへの柔軟な支援が必要です。

児童虐待防止法では、子ども虐待は子どもの人権を著しく侵害し、その心身の成長及び人格の形成に重大な影響を与えるとともに、我が国における将来の世代の育成にも懸念を及ぼすとしています。何よりも子ども虐待への対応に際しては、子どもの権利を擁護し、子どもにとって有害かどうかの観点から対応することが必要です。子どもの思いを受けとめる専門家、児童福祉司や児童心理司、児童精神科医など、子どもが信頼して思いを打ち明けられ、保護やその後の処遇のあり方、子どもの将来を見通した先行きを子どもの立場に立って主張できる専門家、継続して寄り添い支援する専門家の配置が必要です。このようなことのために、しっかりとした財源確保をしながら、国が本腰を入れて児童虐待防止に取り組むことを求め、子どもの立場に立った施策実施を求めて、本意見書には賛成といたします。