■2018年(8.28)
◆7/30~8/2 希望連帯主催 韓国ソウル市視察
市民運動団体「参与連帯」の主要メンバーのパクウォンスン弁護士が2011年市長に就任。その時の公約は、小学校給食無償化やソウル市立大学の授業料値下げ。その後、矢継ぎ早に非正規労働の正規化や「出かける福祉」、市民と共に行う協治政策を実施し、改革を進めているという。白石孝さんの講演を聴き、是非実態をみたいと、現地視察に参加した。4日間で10数カ所を訪問し、食事も懇親会、とびっしり組まれたスケジュール。濃密な視察でした。
★ソウル市庁舎にて、パクソウル市長と懇談
ユ・チャンボクさん(ソウル市協治諮問官)、チョ・ソンジュ(前ソウル市労働協官)のお二人から、「協治」と「労働政策」について伺う。市民運動等の経験も持つ人材の登用からして違う。
ソウル特別市は人口1000万人。25区の区長・区議会は公選される。国以上の独自政策ができる唯一の都市。最低賃金が全国一律のため、ソウル市は「生活賃金」施策で上乗せ。しかし中小企業からの反発があり現在検討中等、率直なお話を伺う。
★冠岳区庁舎にて、区長、冠岳区議会と懇談
6月に区長となったパク氏。市議時代はソウル市長与党。公約通り、市民と共に協治を進めると語った。議会はワン議長、議運委員長、福祉委員長が女性。共に民主党躍進の選挙直後で、福祉と協治を進めるとした。(電光掲示板には、日本語で歓迎。ネームプレートはハングルと日本語表記→)
★冠岳区住民連帯、住民共同行動、福祉センター等、協治と福祉の現場を訪問
1995年、スラムの再開発に対する住民運動を、当事者と支援する活動家とソウル大学生で組織。当事者の再開発住宅への入居権を獲得した2000年以降、まちづくり運動に転換。ソウル市長の協治施策、福祉施策を受け活動を再構築。住民自治を進めているという。
・保育所、学童保育の他、隣近所事業を分かち合いセンターで実施。持てる物資や才能を分かち合う。
・「夢子ども図書館」を数カ所運営。子どもたちの居場所となる。
・市政センターを転換し、「出かける福祉」の拠点となった福祉センターで、まちづくり計画委員会に参画し、住民が町の美化活動等に取り組んでいる。
・住民共同行動は、16の市民団体の集まり。持続可能な活動のための支援と、民主主義学校の運営。行政・議会監視の議政評価団は、6月の選挙で各候補者に政策提案をし、回答を公開。そして、区の協治委員会への参加等の活動をしている。
住民がサービスの受け手・消費者だけではなく、政策の生産者、サービスの担い手となることが住民自治活動ととらえていること。「協働」概念の問い直しが必要だと改めて思った。
★キム・ヨンミョン教授レクチャー「普遍主義と税財源」
政府政策委員による、韓国の福祉政策。福祉を30%を対象とする選別主義ではなく、100%の普遍主義にしたい。まずは70%の準普遍主義。中間層を公共が持つか市場がとるかの違い、と指摘。財源は増税だが、まだ政府の信用度が低いので、信頼される施策を打ってからと現実的。富裕層の増税だけでは必要額に不足。消費税ではなく所得税・法人税でとの話が、インパクトがあった。
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